近年の看護基礎教育の現場では、学生の主体的な学びを促すアクティブ・ラーニングの導入が進められています。看護学生の主体性や批判的思考力、問題解決能力の育成にアクティブ・ラーニングが有効であり、21世紀型スキルの習得にも寄与することから、看護教育の現場でその導入が重視されています。

　第1章では、アクティブ・ラーニングの基本概念や意義について述べています。
　第2章では、具体的なアクティブ・ラーニングの実践方法を紹介しています。ディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション、ロールプレイ、ケーススタディ、反転授業など、看護教育の現場で活用されているさまざまな手法について、その特徴や目的、導入方法、効果的な実践ポイントなどを詳しく解説しています。

　第3章では、アクティブ・ラーニングを効果的に実践するための教育方法論を述べています。学習者の動機づけの重要性や、教育目標の明確化、授業設計のポイント、評価方法の工夫など、アクティブ・ラーニングを効果的に展開するための理論的な基盤を解説しています。

　第4章では、看護基礎教育の授業やシミュレーション教育、臨地実習などの場面で活用されているアクティブ・ラーニングの具体的な実践事例を紹介し、その効果や工夫点、課題について考察しています。

　最終章では、看護教育の質的向上や学生の主体的な学びの実現に向け、アクティブ・ラーニングがさらに重要になっていくことを指摘し、その推進に向けた課題と方向性について論じています。

　本書は、看護教育に携わる教育者や実践者の皆様に向けて、アクティブ・ラーニングの理論と具体的な実践方法を包括的に解説したものです。看護教育の高度化と学生の主体的な学びの実現の一助になれば幸いです。